株安・円高の連鎖のシナリオの仕組み

(10月26日−10月30日)の為替市場動向

26日からの週は、前週までのリスク選好の動きに調整が強まった。米消費者信頼感や新築住宅販売の弱かったことがきっかけとなった。第3四半期の米GDPが市場予想を上回る伸びを示し、リスク回避色が和らぐ場面もあったが、週末には再び調整が進んだ。ドル円は2週間ぶりに90円を割り込み、一時89.93レベルまで下げた。ユーロドルは1.50台が重くなり、1.47割れまであった。来週の豪・英・欧・米の政策金利発表を控えて、ポジション調整あるいは地ならし となる週だった。

株安・円高の連鎖の仕組み

株安と為替は連動しています。これはこういうことです。株のマーケット(証券市場)で投資家、金融機関が損を出せば株の売買が細ります。米国の金融機関なら損を確定させるためいったん持っている株をクローズします。売りはでるがそのあと買わない、このようにして株価は落ちます。いっぽう為替では今回の米ノンバンク大手のCITグループが1日、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請して経営破たんしました。CITの破たんは、融資先である中小企業の資金繰りに悪影響を与える恐れがあり、金融不安の再燃が懸念されています。

 

週末からの米株安や円高の進行を受け、2日の東京株式市場は全面安の展開に。日経平均株価は272円安の9762円で午前の取引を終えましたが、貸金業規制の緩和検討が報じられた消費者金融株は軒並み堅調に推移しています。

 

このように米国経済、金融に不安が広まれば米国金融市場からはお金が逃げます。その矛先が一部日本に行くので円が買われます。このような仕組みで株価と為替は連鎖しているのです。

今週の通貨ペアの見通し

FOMC、FF金利を「長期間」異例に低水準とするとの文言は変更なしか?

豪準備銀行は0.25%の小幅利上げの見通し。

英中銀MPCは量的緩和拡大を検討か。

米国雇用統計、失業率は一段と上昇の見込み。

G20財務相・中銀総裁会合は世界経済の不均衡是正を議論。

 

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◆ 米ドル ◆

 

先週ダウが大幅安となり、週末に米ノンバンク大手CITが連邦破産法適用を申請したことで、株安・円高の連鎖が一段と強まる可能性が高い。

 

テクニカルにも、先週の反発でショートが切らされ結果的に売り余地が広がっているうえ、日足一目均衡表の雲の下限できれいにはね返されており、反騰局面も終了の可能性が高い。

 

日本の祝日を挟んで市場も薄商いとなることから、間隙を突いて88円台をトライする可能性も考えられる。

 

◆ ユーロ ◆

 

FOMCが異例の低金利維持に関する文言を後退させるとの思惑から、週前半は株安・ドル高・円高の連鎖が進む可能性が高い。ただし、米国雇用統計では失業率が10%に達する可能性があり、景気の二番底懸念は一段と高まっている。

 

この局面での文言変更は金利先高観をあおりFOMCにとってもリスクが高いことから、「FF金利を長期間異例の低水準とする」との文言は変更しない可能性が高い。文言が据え置きとなれば株式市場に一定の安堵感が生まれ、ユーロも週後半は持ち直す可能性がある。

 

なお週末のG20財務相・中銀総裁会合は世界経済の不均衡是正が議題となるが、欧州当局者からユーロ高牽制発言が相次ぐと見られ注意したい。

 

◆ ポンド ◆

 

10月末のヘッジファンドの決算に絡んだ買い戻しやM&Aがらみのフロー、英銀の巨額資金調達にからんだ海外からの資金流入など特殊要因が剥落し、今週は弱含みか。英中銀MPCが資産買入れプログラムの拡大に踏み切れば下落加速も有り得る。

 

◆ 豪ドル ◆

 

大幅利上げの期待は後退。明日のRBA会合で利上げ幅が0.25%にとどまれば、材料出尽くしで一段安か。株式市場の不安感を示すVIX指数は7月以来の30%台をつけており、リスク回避ムードからキャリートレード巻き戻しも強まる見通し。

 

◆ NZドル ◆

 

先週ボラードRBNZ総裁は「利上げを開始する緊急性ない。2010年下半期まで政策金利を変更しない可能性」と発言。RBNZのスタンスは予想以上にハト派的であることが判明し、今週はさらに下値を探る展開が予想される。

 

◆ カナダドル ◆

 

株安・原油安によるリスク回避ムードや、カナダの景気不振、当局のカナダドル高牽制などを背景に引き続き軟調推移か。先週カーニー・カナダ中銀総裁が、「必要なら量的緩和を実施する可能性がある」と発言したことも響く。

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